8mmフィルム&16mmフィルム小型映画専門 since 1993
シネヴィス




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現行のフィルムについて

8mmフィルムには、3タイプのフォーマットがあります。

スーパー8フィルム





8mmのスーパー8フィルムは、1965年にコダック社が開発・販売したフィルムのフォーマットです。予めカセットの中にフィルムが入っています。このフィルムを使用して撮影するカメラは、スーパー8カメラと呼ばれるもので、ライツ、ツアイス、ボレックスなど、世界中の有名メーカーから開発・販売されました。
1カートリッジの記録時間は、3分20秒です。(18f/s)

シングル8フィルム





8mmのシングル8フィルムは、1965年に冨士フィルムが開発・販売したフィルムのフォーマットです。予めカセットの中にフィルムが入れてあります。このフィルムを使用して撮影するカメラは、シングル8カメラと呼ばれるもので、冨士フィルムの他、キヤノン、コニカ、エルモ、ヤシカなどの日本のメーカーで作られました。日本で一番ポピュラーなフィルム・フォーマットです。
1カートリッジの記録時間は、3分20秒です。(18f/s)

ダブル8フィルム





8mmのダブル8フィルムは、昭和40年にスーパー8フィルムやシングル8フィルムが発売されるまで、主に昭和30年代に使用されていたタイプのフィルムです。16mmフィルムを半分の8mm幅に裁断したフィルムが裸の状態で巻かれています。フィルム交換の際、感光を防ぐために暗室や黒布の中でカメラへセッティングします。使用するカメラはクラシック・スタイルのモダンなデザインのカメラが多く、それらカメラを使用したいためにダブル8フィルムを使用する人たちも多いです。
1本の記録時間は、約5分です。(16f/s)


スーパー8フィルム

  • スーパー8フィルムには、リバーサル(モノクロ)とネガ(カラー)があります。
  • “スーパー8”は、コダック社の8mmフィルムの商品名称です。
  • 戦前から戦後昭和30年代までの8mmカメラは、それまでの家庭用カメラが16mmであったため、その16mm幅のフィルムを若干加工し半分の8mm分ずつ往復撮影するダブルラン8と呼ばれるタイプのものでした。その後16mmカメラから8mmカメラになって小型になったものの、やはりリールに巻かれた裸のフィルムの装填が厄介で、しかも暗い場所でしかフィルムの出し入れができなかったため、一般にはその扱いが難しく普及も頭打ちになっていました。そこで1965年にアメリカのコダック社が、予め8mm幅に切ったフィルムを四角いプラスチックのカートリッジに50フィート(50m)分を詰め込んだ、明るい所でもフィルム交換ができる「スーパー8」と名付けたフィルムを開発、発表し、さらなる普及を目指し8mmフィルムの一大改革をはかったのです。そして同時に全世界のフィルムメーカーとカメラメーカーに対し規格の統一化の協力を求め販売がスタートしました。このフィルムの出現により8mmの普及率は飛躍的に伸び、スーパー8方式が瞬く間に世界の8mmフィルムのスタンダード的存在になったのです。

  • フィルム・メーカーとして世界的にも最大手であるコダック社が、このスーパー8フィルムを開発、発表したことから、当時の世界のカメラメーカーは全てこのフィルムに対応すべく、8mmカメラの開発に取組み、そして各社より優秀なカメラが続々と発売されました。しかし、ビデオの出現で1980年代中期にすべての8mmカメラは製造中止となってしまいましたが、中古品として現在でも当時の性能を立派に発揮できる国内海外製品の名機(カメラ)がたくさん現存しており、その購入にあたっては、まだまだ使用ニーズに合ったものを探せる環境です。

  • 現在、スーパー8フィルムは、これを開発したコダック社から4種類のフィルムが発売されています。全盛期には、さくらフィルム(現コニカミノルタ)をはじめ、ドイツのアグファなども、スーパー8フィルムを製造、供給していました。

  • それらスーパー8フィルムをタイプ別に説明する前に、コダック社のスーパー8フィルムの歴史にはかかせないコダクローム40というフィルムについて少々お話しいたします。
  • コダクローム40は、発売以来、世界最高のカラーリバーサルフィルムといっても過言ではなく、そのシャープな映像と発色の良さは、全世界のスーパ-8フィルム・ファンを魅了してきました。
  • しかし、残念なことに2005年5月にコダクローム40の製造中止が決定し、日本でのわずかな在庫を最後にこの8mmの世界から永遠に消えてしまうこととなりました。もともとこのコダクローム40は、色の均一性を保つため、特別な現像環境を必要とすることから現在ではコダック社のスイス現像所でのみ現像が行なわれていましたが、2006年7月15日をもって現像終了となりました。

  • 現行のスーパー8フィルム

  • トライ-X(モノクロ・リバーサルフィルム)
  • 白黒フィルムは、現在、トライXという高感度フィルムのみ販売されています。


  • VISION3 50D、VISION3 200T、VISION3 500T(カラー・ネガフィルム)
  • カラーネガフィルムは、「VISION3 50D」「VISION3 200T」「VISION3 500T」の3種類が発売さています。このカラーネガフィルムは、16mm、35mm、65mm商業映画で使われているフィルムとまったく同じものです。

  • 以上、現在販売されておりますスーパー8フィルムは、タングステン・タイプ(人工光屋内撮影用)です。タングステン・タイプは屋外の太陽光線下での撮影時には色温度補正のためアンバー(茶褐色)フィルター(ラッテン85)の装着が必要となりますが、すべてのスーパー8用カメラには予めカメラ本体にその補正フィルターが内蔵されており、カメラ側に表示されているスイッチを切換えることによって(一部カメラはキー抜差しによる切換)フィルターを入れたり解除したりできますのでまったく心配はありません。むしろ、この方式の方が屋内と屋外でその都度フィルムを交換する必要がありませんので便利です。
  • スーパー8カメラには、ブラウン・ニッオ、ライカ、ツァイス、バウアー、ボリュー、そしてキヤノン、ニコンなど、世界の名機があります。
  • ※2018年にKodak Ektachrome 100D Color REVERSAL FILMが発売されました。


シングル8フィルム

  • シングル8フィルムは、日本のフジフィルムが考案、開発したフジフィルム独自の規格です。コダックのスーパー8フィルムに対して、フジフィルムも同時期に単独でカートリッジの形状の違うシングル8という名称のフィルムを発売しました。結局、形状の違う2種類の8ミリ用カートリッジフィルムが同時に世に出てしまったため、当時のユーザーはどちらを選択するか非常に迷ったようです。ビデオでいうならVHSとBETAのような環境でした。
  • フジは1966年アメリカのカメラショーで、このフィルムのための専用カメラであるシングル8・P-1と、映写機M-1とともにシングル8フィルムを発表しています。余談になりますが、ドイツのアグファ・ゲバルト社はフジの誘いで同じシングル8方式のフィルムを作る予定でいましたが、当時の周囲の状況(あまりにスーパー8の普及が著しいため)から発表直前に結局スーパー8方式に乗換えてしまったという話があります。その後、カメラメーカーのほとんどがスーパー8機の製造に力を注いでいた中、フジは自社製カメラの開発をさらに積極的に行わなければならないことを余儀なくされたわけです。日本ではキャノン、エルモ、コニカ、ヤシカの4社だけが一時シングル8機の製造に協力したものの主流はやはりスーパー8機でした。そのため、海外ブランドにはシングル8機がありません。

  • 近年、気がかりだった事は、日本が開発したシングル8フィルムの先々の供給の問題でした。1999年3月それまでカラー2種類、モノクロ2種類、同録用及びアフレコ用とそれぞれ用意されていたフィルム群が、サイレントのカラーフィルムのデイライト用とタングステン用の2種類だけに絞られ、さらに2000年3月それまで週2回の現像が週1回になり、かなり縮小の動きが加速、そしてとうとう2006年4月25日にシングル8フィルムの製造中止と販売、現像終了期日が発表され、フィルムの出荷は2007年3月まで、現像の受付は2008年9月までということでしたが、熱心なシングル8ファンの気持ちに応え、2007年1月10日まで製造終了が延期されましたが、2010年5月に高感度フィルムのRT200Nのメーカー在庫が尽いてしまい、現在、RT25Nの1種類のみがメーカー在庫限りの販売となっています。現像も現在は月1回となっています。


ダブル8フィルム

  • ノスタルジック&モダン・スタイルなカメラで撮影するダブル8フィルム。
  • ダブル8(レギュラー8とも呼ばれる)は、1965年にスーパー8、シングル8が発売される以前の規格で、16mm幅の裸のフィルムをスプールに25フィート(7.5m)に巻いたものです。
  • これをカメラにセッティングすると半分の8mm幅に撮影されるようになっており、フィルムが終了したら、もう一度フィルムをセッティングしなおすことによって残ったもう半分を撮影します。
  • そして、現像時に半分に裁断され、8mm幅の2本になったフィルムが1本につながれ50フィート(15m)リールに巻かれた状態で仕上がってきます。このタイプのフィルムを使用するカメラは、すべて1965年以前に製造されたカメラです。最初の家庭用カメラは現在の業務用16mmと同様のものでした。(他にフランスで生まれた9.5mm幅の特殊なものもありました。)
  • そのため、カメラ自体が大きく重かったためあまり普及せず、もっと小型にしたいという理由から8mmカメラが戦前・戦後にかけて各メーカーで開発・製造されました。
  • 以後、通常の16mmカメラはニュース取材用や小映画製作用として業務用の存在になっていったのです。
  • しかし、カメラはあっても8mm用のフィルム自体がその頃世の中に存在しなかったため、改めて作るよりは既製の16mmフィルムを流用し、カメラ側での工夫によって8mmフィルムに仕上げた方がはるかにコストが安いということからこの方式が定着したものと思われます。
  • この頃のカメラは16mmからの技術導入と、記録面積が16mm幅に比べ8mm幅ではその四分の一になってしまうことによる画像の劣化を補うため、レンズも質の高い素材と技術が導入されていましたので、この時代の製品には意外に優秀なものが多く、デザイン的にも極めて魅力的なものが数多く存在します。

フィルムの使用期限については、8mmフィルムの外箱に使用期限が表示されていますが、メーカーでは、この期限から数年間(2~3年)は、使用に問題はないそうです。かつて、シネヴィスで7年間冷所保管していたフィルムを撮影、現像したことがあり、このときは全く映像に問題は出ませんでしたが、様々な保管環境の違いがありますので、できる限り早めのご使用をおすすめいたします。

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